顎変形症治療
当院では、骨格のずれなどから歯の矯正だけでは正しい噛み合わせに導くことが難しい場合に、顎の骨などに対する全身麻酔が必要な外科的な手術を取り入れた外科的矯正治療も行っています。基本的に保険が適用されます。初診相談や、術後経過、抜糸も当院で行っています。
顎変形症治療
顎変形症とは?
顎変形症とは、上下の顎の骨の大きさや形の異常、両者の位置やバランスによる上下の歯の噛み合わせの異常、顔の変形などの症状を示すものです。上下の顎のバランスが良くないと、うまく噛めない、言葉がわかりづらいといったさまざまな障害が出てきます。また、容貌にも影響することがあります。この顎変形症は、矯正治療にプラスして外科的矯正治療も行うことで、きれいな歯並び、お顔のバランスに改善することが可能です。
顎変形症治療の流れ
STEP1.矯正カウンセリング
お口の中を簡単に見せていただき、歯並びや噛み合わせの確認をします。大まかな治療の流れ・装置について・料金についてなどご説明します。
2.検査
理想的な横顔ときれいな歯並びを作るにあたり、横顔と正面のX線写真・歯型・口の中の検査・顔と口の中の写真を撮ります。顎の動きやお顔のバランスを診る顎機能検査も同時に行います。
3.診断
どのような方法で治療を行い、期間はどれぐらいなのか、具体的に費用等の治療計画の説明をいたします。検査結果から、患者さまの現在のお口の状況と、治療後に予想される改善結果をお伝えします。しっかり検査・説明を行い、ご納得いただいたうえで治療を進めます。また、顎矯正手術(顎の骨を切る手術)を受けていただく、信頼できる病院をご紹介いたします。
4.口腔外科専門医(執刀医)による治療計画の説明
顎矯正手術(顎の骨を切る手術)を行う場合は、当院の口腔外科専門医(執刀医)が治療計画を説明します。
5.術前矯正
顎矯正手術を行う病院においても、「顎変形症である」との診断を受けたら治療スタートです。まず当院で、術前の矯正治療を受けていただきます。大抵の場合、月に一度ほど通院していただき、治療期間は半年~1年程度です。
※当院では、術前矯正の完全に省略した最新の治療法「サージェリーファースト」法による治療も行っております。(保険適用外のため自費治療となります)
6.口腔外科専門医(執刀医)による手術法・リスクの説明
術前矯正が終了したら、次は顎の骨を切る治療(顎矯正手術)です。手術前に、当院の口腔外科専門医(執刀医)による手術法やリスクについての再度の説明をします。
7.顎矯正手術
顎の骨を切る治療(顎矯正手術)は、当院の提携病院にて行い、1~2週間程度の入院が必要です。
8.術後矯正
顎矯正手術終了後は、歯並びや嚙み合わせの微調整を行うため、再び歯列矯正を行います。治療期間は3~6ヶ月程度です。
9.口腔外科専門医(執刀医)による術後経過観察
顎矯正手術終了後は、口腔外科専門医(執刀医)による経過観察も行います。
10.保定・治療終了
歯並び・嚙み合わせがきれいに改善したら装置を外せます。ただしその後1~2年の間は「保定期間」といって、歯並びの「後戻り」を防ぐ維持管理をする必要がある期間です。せっかくきれいに整った歯並びがまた乱れてしまわないように、取り外しできる装置などで維持管理を行います。後戻りしないことが確認できたら、治療は終了です。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さまの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。 - 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- さまざまな問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、噛み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、被せ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の噛み合わせに合った状態の被せ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。
加齢や歯周病等により歯を支えている骨が痩せると噛み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。 - 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。